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第2話 ab-pro 投稿日: 2005/06/24(金) 23:59:54 ID:wolleL2j
         ニホンちゃんのEU講座(作品にあらず)
            「ジレンマ・2」

ニホン「さて、昨晩は2時間の執筆で終わってしまっちゃった本講座だけど、
   今日はちゃんと完結して欲しいです。
    引き続き、司会は日ノ本サクラ」
城元 「そして、ジエイ3兄弟のそのまた下の妹の城元がコメンテーターを
   務めます」
ニホン「昨日はゲルマッハ君とフランソワーズちゃんの家の抱えるジレンマ
   の解説を予告して終わっちゃったけど、城元お姉さん、具体的にどう
   いう事なのかなぁ?」
城元 「これは本当に根深いジレンマなの。
    今のゲルマッハ君とフランソワーズちゃんの家の従業員の失業率は
   10%を超えているけど、この原因が二人の家が従業員を守ろうとし
   た結果なの」
ニホン「えぇ!普通従業員を守ろうとしたのなら、失業率は減るんじゃない
   の?」
城元 「それはね、こういう理由なの・・・」

    元来、西欧では社会保障・福祉の充実を目指してきました。
    西欧の高い生活水準を維持し、国民の生活を充実させるためにこれ
   らの国が具体的にどういう手段を執ったかというと、企業に従業員の
   社会保障費の負担を求めたのです。
    その為、企業は正社員を雇うと、社員への高額な給料の他に、これ
   また高額な負担を背負い込むことになりました。
    それでもまだ昔は良かったのですが、日本をはじめアジアや新興工
   業国との国際競争が激化してくると、この社会保障費用の負担は、企
   業にとって大きな足枷となってきました。
ニホン「・・でも、ゲルマッハ君の家の企業の最近の国際競争力は凄いって、
   パパも言っていたけど?」
城元 「これもまた、どの先進国も経験する試練ね。産業の空洞化が進んで
   いるの。自分の家の従業員を雇うと出費が目に見えて大変だったら、
   賃金の安いよその家の人を雇った方がお利口だものね」

    シュレーダー首相は、最近の高い失業率を、生産拠点を国外にシフ
   トさせる企業に原因があると非難し、国民も「グローバル資本主義は
   民主主義を脅かす危険な存在」という政権党の主張に、七割が賛成し
   ています。
    しかし、旧東ドイツ地区でも2桁を超える成長を記録する輸出企業
   の成功が、冷え込む国内向け企業とは対照的に、ドイツのGDPの三
   分の一を支えているのは純然たる事実です。

城元 「こうした企業は、自分の家の近くで、低賃金で、高い教育を受けた
   労働者が大量にいる東欧の存在が、業績向上の原動力になっていたの」
ニホン「だからフランソワーズちゃんの家では、とうとうEUの完成に待っ
   たをかけたのね。
    でも、フランソワーズちゃんの家は、EU制作を大々的に推進して
   いたはずでしょう?」
城元 「だから、最初に言ったように、人が寛容でいられるのは自分の財布
   が暖かいときだけ、と言う訳ね。
    EUが完成して人と物とお金の移動が完全に自由になったら、産業
   の空洞化は加速してしまうし。失業率が10%を更に超えると分かっ
   ていたら、まず自分たちの生活を守りたいと思うのも当然だと思うわ」
ニホン「何か手はないのかしら?」
城元 「結局、この問題を解決するには失業率を下げるしかないのだけど、
   その特効薬は、企業の社会保障負担を軽減して、自分の家の社員を雇
   いやすくする環境を整えること。
    だけど、そうすると今定職に就いている残りの90%の従業員の社
   会保障の負担が増加することになるから、猛反対は目に見えているわね。
    選挙ではまず勝てないから、特効薬と分かっていても簡単には使えない」
ニホン「まさにジレンマ・・・・」
城元 「そうね。
    エリザベスちゃんを除く西欧では、基本的に社会福祉制度を重視し、
   エリザベスちゃんと新入部員達は自由競争による経済発展を望んでい
   るの。
    そして、EU倶楽部入部のために財政赤字の削減を厳しく求められ
   た新入部員達は、そんな要求は自分たちには関係ないとばかりに、財
   政赤字を膨らませるゲルマッハ君やフランソワーズちゃんをあんまり
   良く思うはずもないわね」
ニホン「本当にジレンマだらけ。
    こんなんでEUちゃんは本当に完成するのかしら?」
城元 「ジレンマと言えばもう一つ、宗教の問題もあるわ」

    EUでは信仰の自由は保障されていますが、イギリスやフランスの
   公立学校では、信仰の自由を保障するために、学校に宗教に関わるも
   のを持ち込むことが禁止されています。
    そして去年、イスラム教徒の女生徒が着用するベールが、この禁に
   触れるとして、着用の是非を巡って大論争がありました。

ニホン「うちでも起こりそうな問題ね。校則違反とか言われたりして・・・」
城元 「そうかもね。
    EU倶楽部に入部を申請しているトル子ちゃんの存在も大きな要因ね。
    ネーデル君の家での「ネー」の最大の理由が、トル子ちゃんの入部
   に反対、て事だったし」
ニホン「何だかEUちゃん、絶望的みたい・・・」
城元 「今言えることは、確かに現状ではEUの完成は大変に難しい、という
   予想が成り立つというところかしら。
    EU1を書いたときには、EU完成の最大の障害は国民投票を一番最
   後に行う予定だったエリザベスちゃんだと思っていたのに、当初の予想
   が大はずれで、もう次回作にどんなプロット考えて良いか分からない、
   て、この作者が嘆いていたわよ」
ニホン「はい、良く分かりました。城元お姉さん、ありがとう!
    ・・私、EUちゃんが完成するように見舞いに行ってくるね。じゃあ、
   またいつか、城元お姉さん」
城元 「はい、それでは今回はお仕舞いです。またいつかお目にかかりましょ
   うね、皆さん」

 ・・・・・
 そして、久しぶり仕事を終えて、ほっと息をつく城元お姉さん。
 しかし、ふとある事に気が付きます。
 仮にEUが完成する→EUの出番が増える→そうするとただでさえ出番の少
ない城元の出演チャンスは相対的に減少する→完全失業のピンチ!

城元 「それ、ダメ!!
   ニホンちゃん、もっとお姉さんと一緒にお話ししましょう!
   ・・・EU完成反対!誰か私にもっと出番を!!!」
                             ・・・END

 長々と失礼しましたm(_ _)m

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